起こり得る労働災害を未然に防ぐためにも「作業手順書」は絶対必要!
2018年04月06日 13時35分
作業手順書の作成ポイント
製造業や建設業など、大きな機械や取扱い方法が特殊な工具を使用した工事や作業を行う現場では、万が一の事故を未然に防ぐためにも「作業手順書」をあらかじめ作成しておく必要があります。以下では、工場や現場などで起こり得る「労働災害」の例をもとに、作業手順書の作成ポイントについてご紹介します。
- はさまれや巻き込まれの事故に注意
機械や工具、さらに作業の手順に不慣れなこともあり、ベルトコンベアやロールなどに服や身体の一部が巻き込まれてしまう、他にも機械の操作方法を間違えて誤って機械を起動させてしまい身体がはされてしまうといったことです。
はさまれや巻き込まれに関する事故により大きな障害を負ってしまう危険性があることから、新人の作業員はもちろん、作業に慣れている熟練の作業員の方であっても十分に注意して作業を行う必要があります。
《作業手順書を作成するときのポイント》
はじめて現場に就いた新人の作業員でも、内容を確認しただけで作業のやり方や手順、そして労働災害を未然に防ぐための“注意事項”が分かりやすく書かれた作業手順書があれば安心です。とくに、精密機械や取扱いに注意が必要な大型の機械や工具の場合、“安全装置”が機械や工具のどこに付いているか、各機械の“操作方法”、そして“作業手順における注意点”など、大きな事故につながる恐れのある内容を中心に色々と作業手順書内に記載しておくことが重要です。
- 転倒による事故に注意
不特定多数の作業員がいっしょに作業を行うことから、自分は便利だと置いていたものが邪魔になり、結局置いてあるものに足を引っかけて転んでしまうといったことがあるのです。
また、転倒原因の一つに、作業員が安全のために装着する作業服や保護帽などをきちんと着用していないといったことが挙げられます。安全靴が足のサイズに合わない、作業服の袖がきちんと絞られていない、古いものを使っているなど、規定の着用方法やサイズなどが守られていないことで、このような事故に発展してしまうことがあります。
《作業手順書を作成するときのポイント》
整理整頓がされていない現場では、床に必要以上に物が置かれている場合が多いですし、作業後にも床が濡れていて不衛生な場合があります。そのため、作業手順書にはそれぞれの工具を使用したあとの保管場所や片付け方法、また作業を終えたあとの清掃の仕方などを分かりやすく記載しておいたほうが良いでしょう。
また、重い機材などを運ぶ際には、台車を使用して何回かに分けて運ぶようにするなど、起こり得る事故の可能性を考慮しながら注意事項を記載するようにします。
- 足場などの高所からの落下による事故
《作業手順書を作成するときのポイント》
作業手順書には、それぞれの作業区分に対して作業の手順などを細かく記載します。足場の組立や解体作業に関しても、それぞれ詳しい作業の手順などを記載するようになりますが、そこには予想される事故の要因や重篤度、事故が発生する可能性、そして「危険性や有害性に対する防止対策」などを詳しく記載する必要があります。
工事の現場や製造の現場などで起こり得る危険性に対して、そのリスクを評価して対策を実施することを「リスクアセスメント」といいますが、まさにそれに関連した内容や対策の項目を作業手順書に細かく記載することで、起こり得る労働災害を未然に防ぎ安全度の高い環境を作り出すことができます。