作業手順書はなぜ必要なのか?現場の作業員に活用される作業手順書とは?

作業手順書はなぜ必要なのか?現場の作業員に活用される作業手順書とは?

建設現場や電気設備工事、機械設置工事など、さまざまな工事が行なわれる現場において、より安全で確実性が高く、そして効率の良い作業を行うことを目的に「作業手順書」を作成する必要があります。
作業手順書を作成する上では、工事現場や作業現場の状況や効率の良い作業の進め方などを事前に把握しておかなければ、現場で活用される作業手順書を作成することは難しくなります。
そこで今回はまず、「作業手順書はなぜ必要なのか」、そして現場の作業員に「活用される作業手順書とはどういった特徴があるのか」といったことを色々とご紹介します。
 

作業手順書はなぜ必要なのか?

現場で活用される作業手順書の特徴について見るまえに、まずは「なぜ作業手順所を作成する必要があるのか」といったことから解説します。
作業手順書が必要になる理由は、以下で挙げているような色々な目的を実現させるためでもあります。
 
「作業をやりやすくする」
作業手順書を作成する目的の一つに、「作業をやりやすくする」といったことがあります。
この目的は、実際の現場で作業にあたる作業員を対象としていることから、今以上に作業がしやすいように作業内容を明確化する、作業スケジュールを作成することで計画通りに作業が進められる、或いは、はじめて作業を行う方でも作業手順書の内容を確認しただけで作業ができるようになる等、作業手順書を作成したことによりさまざまな効果を得ることができます。
 
「作業のムラをなくす」
工事を始めるまえに作業手順書を作成しておくべき理由、それは「作業のムラをなくす」ためでもあります。
建設工事や電気設備工事、土木工事などの現場では、たくさんの作業員たちが作業を行っているため、それぞれが違ったやり方や手順で進めてしまうと時間的にも非常にロスが発生してしまうことから注意が必要です。
作業のやり方や手順などが異なると、同じ作業を行っていても目的物の完成度などに差が生じてしまいます。特に、作業に慣れている熟練の作業員と、これからはじめて作業を行う作業員がいる現場では、作業の基本となる手順ややり方などが書かれた手順書がなければ結果的に作業にムラが生じてしまう恐れがあります。
このことからも、工事現場で作業をはじめるまえには、初心者でもすぐに分かりやすい内容で書かれた作業手順書を用意しておく必要があるのです。
 
「安全で快適な作業環境を整える」
作業のムラを失くして、作業をやりやすくするためにも作業手順書が必要不可欠ですが、現場で実際に使用されない作業手順書であれば意味がありません。
作業手順書は、現場にはじめて就く方でも理解しやすい内容でなければいけませんし、「安全で快適な作業環境を整える」ためにも作業を行う全員が実行できるように工夫された作業手順書を作成する必要があります。
作業員が自分で自由に作業を進めていたり、個々で使いやすいようい工場内に作業台や工具などを自由に配置されていたりする現場では、作業員同士のまとまりがなく、目的物の仕上がりの精度をはじめ、作業時間にも大きな差が生じていました。
しかしながら、こういった現場に対して効果的な作業手順書を作成することができれば、工場内の動線を考えて作業台や工具などの配置場所を考えられるようになり、どのポジションにどの作業員を配置すれば安全で快適な作業環境を作り出すことができるか、といったことの答えを導きやすくなります。
 
「品質の向上」
安全で快適な作業環境を整えることができれば、作業がやりやすくなり結果的に作業のムラを少なくすることができます。作業手順書を作成するとさまざまな効果を得ることができるのですが、その工場での作業のやり方や手順を“標準化”させることができます。
いつも変わらず同じやり方や手順などで作業が行われることで、いつでも「品質が一定」になることはもちろん、「品質を向上できる」といった効果が生まれます。
常に一定の品質で作業を行うことができれば、熟練の作業員ということに関わらず、新しく現場に付いた新人作業員でも作業のムラを大幅に削減して、作業の品質を安定させることができます。
 
「生産性の向上」
作業のやり方や手順などを標準化した作業手順書があれば、作業員同士の作業のムラや作業の品質などを安定させることができますが、それと同時に「生産性の向上」にもつなげることができます。
工事現場では、あらかじめ着工日時と完工日時などに関するスケジュールが設定されていることから、依頼を受けた元請け会社ではお客様に迷惑をかけることがないように、予定通りのスケジュールで工事や作業を終える必要があります。
そのため、計画された日程をもとに問題なく作業を進めるためにも、作業手順書を作成して作業を標準化することで作業に遅れが発生しないように、そして作業員ごとのムラを失くして効率良く作業を進められるようにすることが非常に重要になります。
 
「事故やリスクを回避するため」
工事現場や工場などの職場には、私たちが考えている以上にさまざまな危険が潜んでいます。効率の悪い場所に機械が配置されていたり、狭い作業スペースのせいで作業がしにくかったり、または移動するたびに作業員同士がぶつかってしまったりと、安全であるべき場所で労働災害に巻き込まれてしまう恐れがあるのです。
そのため、このような工事現場や工場内での「事故やリスクを回避するため」には、作業を効率化できる作業手順書を作成することが大切です。
例えば、作業手順書を作成することで機械や工具、作業スペースの正しい配置場所を正確に判断できるようになります。また、安全対策として身体に合った作業服を使用する、保護帽をはじめ、あごで固定するヘルメットをしっかりかぶる、安全靴を履くなど、安全な作業を行うための正しい服装に関しても作業手順書にしっかり記載する必要があります。
 
「効率的に作業を行うための仕組みを作るため」
大手企業をはじめ、中小企業にとっても「効率的に作業を行うための仕組みを作る」ことはとても重要なことです。
作業員によって異なる自由なやり方や手順などで作業が進められてしまうと、何か問題が起きてしまったときにも対処するのが難しくなりますし、問題が発生した原因がどこにあるのかを明確にすることも困難になります。
そのような時に事前に作成された作業手順書があれば、常に作業のやり方や進め方などが標準化されていることから、その中で何か問題が起きることがあれば直ぐに原因箇所を突き止めることができますし、万が一トラブルに発展したとしても適切な対応がしやすくなります。
中小企業であっても、大手企業並みの対応力を持つことができれば発注者からの信頼を勝ち取ることができますし、仕組みが明確でさまざまなシチュエーションに対応できる強みを持った企業はイレギュラーなことが起こりやすい現場などでも非常に重宝される存在でもあります。


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